2017.08.17

米国での診断薬事業の開始のお知らせ

この度、当社は、米国での診断薬事業を開始することとなりましたので、お知らせいたします。第1号案件として、関節リウマチの診断薬キット「タリンテスト」を、研究用試薬(RUO: Research Use Only)として、本年9月より米国で販売開始いたします。

関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis)は、我が国における患者数が約70~80万人と言われており、体の複数の関節に炎症が起こり、痛みや変性が生じる免疫疾患です。近年、関節リウマチの治療は、免疫抑制薬や生物学的製剤の登場などで飛躍的に進歩してきました。一方、関節破壊の進行は発症後2年以内、特に1年以内が速いことから、発病早期より積極的な治療を行い、早期に低活動性~寛解状態に導く必要があります。関節リウマチの診断には現在、血中リウマトイド因子(Rf)や抗CCP抗体など、主に用いられている診断方法はあるものの、より高い感度・特異度を有した早期から陽性になる診断マーカーが求められております。

「タリンテスト」は、リンパ球内の細胞接着領域に発現されるタンパク質であるタリンが、関節リウマチ患者さんの血液中では短いフォーム(ショートタリン)で発現している点を利用した新しい関節リウマチ診断方法です。タリンテストはこれまでの関節リウマチ診断法に比べて、感度・特異度が向上している可能性があります。さらに、初期診断だけでなく、関節リウマチの治療経過のモニタリングに使用できる可能性もあります。

販売開始時期は2017年9月を予定しております。製造は米国カリフォルニア州で行い、米国の臨床試薬販売パートナーとの販売提携を通して、米国内の企業や大学、研究機関等への販売を開始します。

当社では、引き続き、アンメット・メディカル・ニーズに対する新しい治療の確立に注力すると共に、再生医療・ゲノム解析・Internet of things(IoT)・ロボット・人工知能等の発展により徐々に医療の垣根が取り払われつつある状況を適切に捉え、医療機器の事業化にて培ったノウハウをもとに、さまざまな医療イノベーションの事業化を手掛けていくことで、弊社のビジョンである「日本発の医療イノベーションを世界に」の実現を目指すと共に、医療の質の向上・医療産業界の活性化への貢献を寄与してまいります。

参照:2017/8/17付日本経済新聞 朝刊「米で関節リウマチ診断薬を発売 日本医療機器開発機構

※1 「タリンテスト」は、国内外において未承認の製品です。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社日本医療機器開発機構
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FAX:03-6262-3022
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担当:石倉